プロジェクションマッピングへの取り組み(全国初の認定校)

北上コンピュータ・アカデミーのYoutubeチャンネルに、プロジェクションマッピングの実施動画をアップしました。
このプロジェクションマッピングは、(一財)最先端表現技術利用推進協会(通称:表技協)のプロジェクションマッピング認定校制度のもと、北コンの学生たちが卒業研究で北上市の国指定史跡国見山廃寺を題材にした試作品制作に取組んだ成果です(経緯については、先日の記事を参照ください)。

担当チームは初めての試みで、カットのつなぎや各種タイミングなど苦労が多かったなか、後輩たちへの土台作りや地域でのプロジェクションマッピング活用などを念頭に様々な挑戦をしてきました。

北コンYoutubeチャンネルより

今回アップしたプロジェクションマッピングの動画は、先日の卒業研究発表会・展示会や、北上市関係者の皆様へのお披露目会の際に上映したものです(一部編集。撮影時には露出を下げています。投影時に直接肉眼で見ると少し色があせて見えます)。

投影対象物は、複数の発泡スチロール立方体と、ついたて部分にボードを使用し、凹凸をもたせています。
立方体はシンプルな形ゆえに表現の練習にもなりますし、場所が変わった場合でも簡単に設置できるため、再現性の向上や、立方体を様々配置換えすることで映像コンテンツの幅を広げる目的があります。
ボードも同じく拡張性と再現性向上、五重塔の高さを表現する、などの理由で選定され、今後想定される投影物の凹凸に対応する練習をしました。

pm_obj

映像は、国見寺廃寺の建造物やタイムスリップが基本の題材になっています。建造物の3DモデルはVRチームとの連携の関係で、細部は詰めず、早い段階で大まかな外観を作ることを優先して制作されています。
前半部分は定番表現の習作で立体的表現を、後半部分は投影対象の凹凸に対し平面的要素を取り入れ、季節の移り変わりととも建造物を紹介しています。

pm_ae

学生たちは、投影対象と映像をどのように絡め、構成するかという点で特に苦労していましたが、表技協の方々の効果的な指導のおかげで、最終的にまとまった形になりました。

全国各地でプロの方々が実施しているプロジェクションマッピングは、企画・構成力、表現力など、我々が言うまでもなく質が高いものが数多くあります。
しかし、デモ上映をご覧頂いた方からは、プロジェクションマッピングが「県内の色々な場所でできそうだね。」、「中尊寺(平泉)でも実施できないものだろうか。」といった声も聞かれました。

学生たちが卒業研究で取組んできた理由は、こういった声にも大きく関っています。
学生たちが身近な課題に対し、自らIT技術を活かして解決や提案を目指す取組みを継続することで当事者意識が生まれ、地域活性化にもつながっていくものと考えています。
今回のプロジェクションマッピングをとおして、試作品でも直接目にして頂くことにより、北上市や県内各地域での展開や実践が具体的に見えてくる部分もあるかと思います。

pm_rsh例)実地調査:かまくらへの投影実験(関係者の許可を得て行いました)

一連のご指導を頂いた表技協の皆様も、成果物が一過性ものとして消費されるのではなく、自立的な取組みとその土壌が育まれることを重視・期待しておりました。
また、今回の担当チームのメンバーが持ち味が様々であることを理解して頂きながら、経験問わずプロジェクションマッピングに参加できることも大切にされている同協会から指導を受けたことによって、今後も地元で自発的に制作を行っている可能性を実感できました。

pm_semi

プロジェクションマッピングは身の回りにある多くの場所・ものが投影対象になりますが、投影対象との関連性や質が重視される成熟段階を迎えている印象を受けます。
実施自体に主眼を置くのではなく、意味付けや枠組みを意識しながら、AR・VRと同様、仮想と現実の特徴を効果的に掛け合わせた演出・表現ができるように、本校でも力をつけていくことが大切と考えています。

プロジェクションマッピングは、企画・プロモーション、映像制作など考え方や技術要素が多くあり、メタ認知能力養成など教育訓練にも良い題材と感じています。
北コンでは、今回のプロジェクションマッピングを礎とし、色々な方々の協力を得ながら継続していく予定です。

最後に、表技協の講師の方々をはじめ、ご協力頂いた皆様にこの場をおかりして改めて御礼申し上げます。

【プロジェクション・マッピング制作】
CG・CADコース2班 卒業研究2015()内は出身校
千田 航平(水沢工)、 紺野 一樹(住田)、 遠藤 将馬(沼宮内)、
鈴木 千絵(一関第二)、 佐々木 槙子(花巻南)

【制作支援】
プロジェクションマッピング指導者養成カリキュラム
(一財)最先端表現技術利用推進協会
講師:町田聡、千葉祐吾、吉川マッハスペシャル

【協力】
北上市
(社)岩手県建築士会北上支部(建築図面)

【関連リンク】
(一財)最先端表現技術利用推進協会
国指定史跡 国見山廃寺跡
北上市長へ報告と作品お披露目会:プロジェクションマッピングと認定校
北上コンピュータ・アカデミーを初認定・表技協プロジェクションマッピング認定校制度
国見山廃寺跡の再現とVRの研究の報告
平成27年度卒業研究最終発表会・展示会が盛況のうちに終了しました
ATC/AAP Forum Japan 2015が開催されました