国見山廃寺跡の再現とVRの研究

北上コンピュータ・アカデミーの卒業研究で学生4名(CG・CADコース4班)が取組んだ「国見山廃寺跡の再現とVRの研究」について、北上市立埋蔵文化センターで報告を行いました。このテーマは、国見山廃寺を題材にしたプロジェクションマッピングのチームと連携し、別の観点から国見山廃寺をPRする方法として提案されたものです。

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一般的に、プロジェクションマッピングは開催場所で視聴します。むしろ、視聴というよりは体験となりますが、その場所・その時に事情があって現地で体験できない方々もおります。
VR(Virtual Reality:仮想現実)の場合には、コンテンツを利用者が任意の時間で利用することができますし、単なる視聴ではなく、利用者があたかも仮想世界を体験するような感覚が得られます。

このチームは、自発的にUnreal EngineというゲームエンジンでVRコンテンツを開発しようと取り組んできました。
国見山廃寺跡は、現状と地形はあまり変化がないものと思われますが(現存部分)、寺院などの建造物は跡しか残っておらず、平安時代に存在したとされるそれらの建造物(仮想部分)をUnreal Engineを用いて表現することで、学生たちは当時の情景などをより視覚的に伝えることができればと考えました(現存と仮想の違和感低減を目指した融合)。

国見山廃寺跡の当時の状況については、検証などの部分でフィールドワークをしたり、北上市立博物館や北上市立埋蔵文化センターの方々へ取材を行ったりしました。専門家の方々の快いご協力もあって、学生たちだけでは気づかない点も多く教えて頂きました。

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卒業研究として限られた時間で、建造物や地形、樹木などの自然物では厳密さ・正確性はトレードオフされた部分もありますが、学生たちの視点で当時はこのような状況だったのではないかという考えを、VRコンテンツとUnreal Engineならではの画像・動画出力でまとめています。

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報告会に参加頂いた皆様からは、「ゲーム感覚で視覚的に確認できるのは面白い。」、「ここの地形はもう少し緩やかでは。」、「珊瑚岳方面はどっち?マップ表示があると更によいと思う。」、「時間経過による変化や、動画で情景が感じられて良い。」などのご感想・ご意見を頂きました。

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また、北上市立博物館館長より、「博物館としては、正確性や厳密さ、検証性などの点から展示資料としてではなく、イメージ動画や当時の状況を仮想体験できるようなコーナーとして活用できる可能性はある。学生たちが地元の文化に関心を持って取り組んでくれたことを嬉しく思う。」と、取組みを評価して頂きました。

地形や建造物を仮想体験できるコンテンツはVRと相性が良いことから、北コンでは過去の卒業研究でも、本校見学用/ユニバーサルデザイン化検討や、北上市の夏油高原スキー場などをテーマに取組んできました。
まさに報告会の皆様からもあったとおり、3D空間を情報共有することによる研究補助としての検証材料や、プロモーション化、歴史をゲーム感覚で学ぶ教材化など、VRの色々な可能性があります。

今後も、国見山廃寺、土木・建築業界で浸透が予想されるBIM・CIM、CADデータの効率的活用、広範囲3Dスキャンやドローンを活用した3次元データ取得などの連携を視野に入れ、学生たち自身で地域の方々にITならではの提案をしていければと考えています。

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VRコンテンツ制作:CG・CADコース4班
菅原 亮汰(一関工)、和賀 蒼(大東)、 藤田 浩弥(江南義塾)、齊藤 敬宣(花巻東)
()内は出身校

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