ATC/AAP Forum Japan 2015が開催されました
11月7日(土)、岩手県立大学でATC/AAP Forum Japan 2015が開催されました。
当イベントは、ATC(Autodesk Training Center)主催で、CG・CAD分野で数多くのソフトウェアを取り扱っているAutodesk社の公認イベントです。
当イベントはハンズオンセミナーや認定試験、各種事例紹介が主な内容となっており、これまで首都圏では開催実績がありましたが、岩手県(東北)での開催は非常に珍しく、有意義なものとなりました。
北上コンピュータ・アカデミーでも、Autodesk社のソフトを活用させて頂いております。
当イベントの性質から、主に本校CG・CADコースでこれまで取り組んできた地域密着型コンテンツの事例をピックアップしてご紹介させて頂きました。
一部を抜粋して下記いたします。
北コンでは、社会人基礎力を伴ったIT技術者の養成を主眼とし、地域に根付いた各種活動にも取り組んでおります。
学生達は、まず身近にある課題・問題点を見つけ出し、ITを使って改善や解決、提案できないか向き合います。
身の周りには、日常の生活県内に有体・無体の様々なデータがあり、改めてそれらに目を向けると気づきや着想が得られ、実に多くのデータ利用・活用方法が考えられます。
岩手県でも盛んである農業などの6次産業化と同様な捉え方で、地域の有体・無体のデータを「6次化」するような視点や考え方が手がかりとなります。
制作する際には、試作品レベルでもまず形にするスタンスに重きをおいています。
有体・無体の各種データ、関連地域、様々なソフトウェア・ハードウェアなど、それぞれ断片的に扱うのではなく、意図して有機的に掛け合わせることで、ITを学ぶ学生ならではの発想やコンテンツが生まれやすくなります。
ご当地キャラクターなどの3次元モデルを制作することで、
アニメーションやサイネージ、グッズ展開に繋げられます。
同時にAR/VRへの展開も可能となり、用途は広い範囲にわたります。
特に、ARはハードウェアの進歩により盛り返しの兆しが出てきました。
近年広がりを見せているBIM/CIMの影響もあり、
建築・建造物や地形の3次元データを扱う機会が増えてきます。
設計検討や共通認識、アニメーション、AR/VRといった用途に加え、
近年では実在の市街地を扱ったゲームも登場しています。
情報を実体化できる3Dプリンタの高性能化・多様化により、
ものづくりもますます変革が進んでいます。
既存の枠組みを壊すものとしての認識ではなく、
融合や拡張を視野に入れながら、
どのように変化と向き合っていくかが鍵になります。
上図の左側はHMDとモーションキャプチャーを組み合わせた、
VRの没入感向上と操作方法模索の様子です。
また、右側は3Dレーザースキャンを利用して、敷地内や車、植物などを
3次元データ化したもので、リアリティキャプチャとも呼ばれます。
VRとも相性がよく、よりかけあわせが進みそうです。
今後高品位なVRの登場や、
ARやプロジェクションマッピングといった
仮想と現実の融合コンテンツ、
さらに仮想と実体を繋ぐ3Dプリンタなどの浸透・普及によって、
仮想と現実、分野、産業、手法など、
様々な境界があいまいさになり、
新たなかけあわせの可能性が広がります。
ITが深く関連した大きな変化が起こっておりますので、情報を様々に活用・関連させる力は、更に面白さと重要性が増していきます。
同時に「コンテンツの価値に対する理解」や、「境界のあいまいさへの対応」などなど課題もつきまといますが、本校各コースで行われている取り組みは、様々な方々のご協力・ご支援によって実現できています。
今後もご協力を頂きながら、ITを活用した地域密着型の取り組みと、人、地域、未来を育てる土壌作りを続けていきたいと考えております。
【関連リンク】
・ATC/AAP Forum Japan 2015
・北コンの取り組み